甲冑
変わり兜
 

兜は頭部を守る護身具として古代から着用され、古墳から出土する武装埴輪からも知ることが出来る。それは時代の流行と戦闘形式により改良が加えられ変化を遂げてきた。変わり兜は、定まった形式の兜(星兜・筋兜)とは違い 鉄板の打ち出しや革・和紙などを使って軽量をはかり 張懸(はりかけ)と呼ばれる手法も用いて漆で塗り固めて仕上げられている。室町時代末期から江戸時代初期にかけて、動植物や信仰的なものまで奇抜異形な兜が作られた。 これは、武士が自己を誇示する心情の表れであり 武家文化の活力を感じさせてくれる。

 
 
鉄地獅噛形兜
(てつじ しかみなりかぶと)室町時代末期

変わり兜の初期の形であり極めて軽量に作られている。まさしく奇想天外。獅噛に生命が宿るかのような鉄打ち出し技術である。その厳しさに着用する者の武威をいっそう引き立てたものであろう。当時の職人が持つ技と想像力にも驚かされる。後に多様な変わり兜が出現したと思われる希少な一頭である。
 
 
金箔置抹頭形兜
(きんぱくおき まっとうなりかぶと)桃山時代

うさぎと三日月のうしろ立てが印象的な兜。鉢を金色に仕上げ 合戦のなかにあっても存在を目立た せる考えもあったのであろう。見た目よりも非常に軽く均整がとれている作である。日米文化交流を はかるイベントの際、様々な文化財と共に日本を代表する兜として 時の首相・中曽根氏と共に渡米し レーガン大統領のもと、アメリカ各地の主な州立博物館で特別展示された一頭である。その際、入館 券とガイドブックの表紙にも使用された。
 
星兜  権威を誇るつわものと戦乱の世を経て
 
大鎧(おおよろい)に添えて平安時代から南北朝時代頃まで用いられた兜は、おもに星兜である。およそ十枚から二十数枚の鉄板を矧ぎ合わせた半球形で、矧留鋲(はぎどめびょう)で打ち留められている。留鋲の頭を星と呼ばれる事から星兜という。時代とともに星はしだいに小さくなり、星数や行数も増やされた。手辺(鉢の頂部)には大きな穴が設けられ、これを手辺(てへん)の穴という。古代の兜にはなく武家時代の兜の特徴である。
 
 
鉄二十四枚張二方白星兜鉢
(てつにじゅうよんまいばり にほうじろ ほしかぶとばち)鎌倉時代

この星兜鉢は、二十四枚の鉄板に一行十一点の星鋲(ほしびょう)で打ち留られ 武者の心意気を感じさせる 堂々たる風格の一頭である
 
 

・織田家伝来 南蛮笠形兜(桃山時代)
・立花家旧蔵 金箔押一段錣桃形兜(桃山時代)
・後藤又兵衛基次所用廻り鉢六十二間星兜(戦国時代)
・三十二間総覆輪筋兜(南北朝時代)
・その他全11頭展示(定期的に入替)
 
 
 
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